不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
「今日は本当に、仕事を休んで大丈夫だったの?」
そうして迎えた中央総合病院での受診日当日、私と灯は朝からふたりで目的の産婦人科へと向かった。
「私の方はもともと休みだったからよかったけど……」
「問題ない。必要なことは昨日のうちに片付けたし、リスクヘッジとしていくつかの案を園宮には渡してある」
灯は飄々と答えたけれど、家を出る直前までリビングのテーブルでノートパソコンのキーボードを叩いていた。
昨日だって遅くまで仕事をしていたし、今日のためにまたスケジュールの調整もしてくれたんだろう。
「灯、いろいろありがとう。今日はさすがにひとりだと少し不安だったから、灯がいてくれて嬉しいし心強いよ」
今の私にできることは、変な意地を張らずに素直に感謝の気持ちを伝えることだ。
そうすれば灯は柔らかな笑みを浮かべたあと、そっと私の指に自分の指を絡ませた。