不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
 


「できる限り優しくする。それでも最初は少し痛いかもしれないけど、なるべく労れるように気をつけるから」


 でも、灯にはそういう私の胸の内もバレていたんだろう。

 悪魔のような甘い囁きが聞こえたと同時に、唇を塞がれた。


「んん……っ」


 灯とキスをするのは二度目だ。一度目はもちろん、チャペルでお決まりの誓いの言葉を交わしあったとき。


「や……っ、それダメ……ッ」


 たった今まで手首を拘束していた手が放されたと思ったら、今度は冷たい指の腹が肌の上を滑った。

 反射的に身体を押し返そうとしたけれど、ビクともしない。

 熱い舌と指先に弱いところを何度も責められ、段々と息があがってきた。


「んん……っ、もう、やだぁ……」


 自分でも信じられないほどの甘い声が口から漏れた。

 それがまた羞恥心を刺激して、身体の芯が熱く痺れるのを感じる。


「だいぶ柔らかく、融(と)けてきたな。それに、かなり濡れてるし。牡丹って、かなり感じやすいのかもな」

「い、言わないで……」


 今の自分の身体の状態を言葉にされるとまた羞恥が増して、もうどうしたらいいのかわからなくなった。

 自分でも知らなかった自分を、他ならぬ灯に暴かれていくのが悔しくてたまらない。

 灯なんて嫌い。大嫌い。

 だけど灯は先に宣言したとおり、驚くほど優しく丁寧に私の身体を隅々まで融かして、慣らしていった。

 もっと身勝手かつ乱暴に抱いてくれたら、泣いて暴れて抵抗してやるのに!

 まるで、愛されてるんじゃないと勘違いしてしまいそうになるほど時間をかけて身体を解され、いつの間にか為されるがままに身を委ねていた。

 
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