不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
「ご懐妊されていますね。現在、妊娠七週というところでしょう」
翌日、元々仕事が休みだった私は、灯の宣言通りに朝イチで家を出ると近くの産婦人科に向かった。
そして検査を受けた結果、医師から正式に妊娠しているという事実を伝えられた。
やっぱり、検査薬の結果は間違っていなかったんだ……。
私は身体の横に置かれたモニターを眺めながら、改めて自分の中に命が宿っているのだということを実感した。
「ここ、わかりますか? この小さな細長い丸が赤ちゃんで、心拍の確認もできますね」
「え? 心拍って……もう、心臓が動いてるってことですか!?」
驚いて尋ねると、カーテンの横から顔を出していた先生はニッコリ笑って丁寧に説明をしてくれた。
「はい、大体六週から九週ほどで確認できることが多いですね。これが胎嚢と言って赤ちゃんがいる部屋なんですが、このチカチカ動いているのが赤ちゃんの心臓ですよ」
もう一度しっかりと先生が指してくれたところを見ると、確かにピコピコと動いている何かが見える。
あれが赤ちゃんの心臓なんだ……。
言葉では言い表せない感動が胸に押し寄せ、何故か目に自然と涙が滲んだ。