円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
睨む顔も毎回同じでやっぱり苦笑い。


『結婚って…まだ何も決まってないと思うけど…』


『あら、私と凛音様は昔からの許嫁ですの。誰にもこの赤い糸は切れませんのよ』


その自信はいったいどこから来るんだろう?


『2人とも何の話?』


湊音さんが、会話に入ってきた。


フワッと香水の良い匂いがする。


大人の男性の身だしなみ…みたいなことかな。


ちょっと…ドキッとする。


『聞いて下さい、湊音様。こちらの紬さん、凛音様と私の仲をいつも邪魔しようとなさるんです』


湊音さんは優しい笑顔で、


『すねてる顔も可愛いけど、怒るとせっかくの亜矢奈ちゃんの良さが台無しになるよ。今日は柊音の誕生日だから、みんな笑顔でいよう』


そう言って、亜矢奈さんの顔を覗き込んだ。


ものすごく甘い声。


亜矢奈さん、湊音さんに近くで見つめられて目がハートになってる?
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