円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
確かに横で見てる私までドキドキしてしまうくらいだから無理もないけど…


この容姿でこんなセリフ…


湊音さんは、本当にズルいよ。


いったい、今まで何人の女性を虜にしてきたんだろう。


『凛音。素敵なお嬢様達を放っておいてはダメだ。お相手して差し上げないと』


そう言われて、凛音がゆっくりと近づいてきた。


『湊音。お嬢様達って…紬は幼なじみで助手。院瀬見は同じ大学の同級生。わざわざ気を使って相手をしなくても大丈夫だよ』


ちょっと冷たい返事に、


『まあ、凛音様。そんな冷静な分析はつまりませんわ。それに…どうして私だけ「院瀬見」なんですの?紬さんは名前で呼んでらっしゃるのに』


『紬とは…小さな頃から友達だからね。自然と名前で呼んでる。特に意味はないよ』


私だけ名前で呼ばれてることは、ちょっと嬉しいけど…


でも…


「意味はないよ」って…


それは…寂しい。


全く…凛音は、女心を全然わかってない。
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