円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
その階は演劇部のみが使っているそうで、部屋のドアの窓から中をうかがうと、めいっぱい大声を出しても大丈夫そうな空間が広がっていた。


息を整えるため1呼吸おいてからドアを開け、私達は部室に入った。


中にいた部員が、全員一斉にこちらを見る。


その視線にドキドキする…


全部で…15人くらいかな?


『失礼します。佐々木先生。こちら、新聞社の山田さんと田中さんです』


山田と田中…


昨夜、凛音に教えられた設定を忘れないようにしないと。


以前にも2人で何度かこんな「潜入捜査」をしたことがあるけど…


かなり久しぶりだから、まだ慣れなくて体がガチガチで固まってしまってる。


かろうじて平静を装って笑顔を作った。


『演劇部顧問の佐々木です。今日は我々の取材に来て頂いたそうで、わざわざありがとうございます。教頭から何でも協力するように言われていますので何でも言って下さい』
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