円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
『ありがとうございます。私は山田と申します。こっちが田中です。文化祭まで数回お邪魔するとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。とにかく、少し皆さんの練習の様子を拝見してもよろしいですか?』


凛音が丁寧に言った。


ふと部員に目をやると、女子達の視線が凛音に集中してるのがわかった。


「キャー」って、黄色い声が聞こえてくるようだ。


やっぱりイケメンパワー全開で、地元の新聞記者の設定にはちょっと無理がある。


『もちろんです。お2人共あそこに座ってご覧下さい』


私達は、少し離れた場所でしばらく練習を見守ることになった。


部長の赤田さんを中心に、男女半々くらいの部員が決められた配役になり切っている。


みんなセリフも動きもしっかり頭に入ってて、感情がこもっててすごい迫力だ。


次から次へと変わる展開に正直グッと惹き込まれ…


まるで「プロの劇団」かと錯覚した。
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