円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
「大丈夫だから、おじいちゃんに任せなさい」


そう言って、たまたま校長先生と知り合いだからと直接話をしてくれた。


結局…


私の言う通り…


先生は、友達のリコーダーを「盗って」いた。


それだけじゃなく、今までたくさんの生徒のちょっとした持ち物も盗んでいた。


衝撃だった。


どうしてそんなことしたのか不思議で仕方なかった。


でも…


後に、先生は気持ちが不安定だったらしく、苦しみながら教師をしていたことを知った。


仕事を辞めて田舎に戻った先生は「あのまま教師を続けていたら心がぺちゃんこに潰れていた…」と、そう言っていたらしく…


それを聞いた時は、子どもながらにすごく複雑な気持ちになったのを今でも覚えてる。


事件の後でおじいちゃんは、私に言った…


「紬。お前には不思議な能力がある」


って。


人に「触れたら」その人の思ってること、行動なんかがわかる能力が…
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