円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
でも、凛音だけにはこのことを話した。


気持ち悪がられるのが嫌でしばらくは黙ってたけど…


ある時勇気を出して言ってみたら、それどころか、その力を使っていろんな人を「助ける」ことが出来るじゃないかって…褒めてくれたんだ。


現実離れした私の力を…1ミリも疑うことなく信じてくれた。


本当に…すごく嬉しかった。


かなり中途半端な能力だけど、もし人のためになるならって思ったし、何よりも凛音の役に立ちたいって…そう思った。


それから…


探偵の助手として、今までほんの少しだけこの力が役に立ったことはあった。


でもやっぱり…映像が曖昧過ぎてなかなか思うようにいかなくて。


そんなもどかしい私を凛音は責めることなく、ずっと優しく気遣ってくれてる。


ちょっと…救われてるし、だんだん失敗は気にしないようになった。


でも、いつかちゃんとコントロール出来たらと、練習がてら普段は友達のことを占ったりしてる。


これが結構「当たる」と評判で…


この力のおかげなのか、ただの「偶然」なのか…


とにかく、今は、そんな自分の中途半端な能力と向き合って…私は生きているんだ。
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