円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
『あの脅迫状は…佐々木先生のことを狙って書かれたのかも知れないね』


『でも凛音。この花が佐々木先生を指してるなら、佐々木先生自身が脅迫状を出した本人ってことはないかな?』


私は、素直に思ったことを口にした。


『なぜ自分で脅迫状を出して、自分で階段から落ちる必要がある?』


凛音は、冷静に言った。


『佐々木先生がどうしても文化祭の劇を中止させたかった…とか?』


柊音君も続いてくれた。


1つ1つの可能性を足したり消したりしていくように…


何もわからないからこそ、ここにいるみんなが正しい答えに向かって様々な思いを口に出す。


まるで、全員が「探偵」みたいだ。


『佐々木先生は演劇部の顧問だ。いくらなんでもそこまで中止にしたければ、何らかの理由を無理矢理でもつけて止めさせられるだろう。わざわざ脅迫状を出して、怪我を負ってまでする意味がわからない』
< 49 / 103 >

この作品をシェア

pagetop