円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
『そんな…佐々木先生が…何か悪いことしてるなんて想像出来ません』


『もちろん憶測はよくない。今はまだ何も断定出来ないよ。とにかく彼女に…話を聞いてみないと…』


その時、勢いよくドアが開いた。


激しい音に、一瞬心臓がドキッとした。


『小川君!?どうしたの?』


赤田さんが叫んだ。


『さっき記者さん達が他の部員に話を聞いてるのを見ました。それで…ちゃんと話さないとって思って…着いてきました。すみません』


強ばった、真剣な顔で小川君が言った。


『話したいことって?』


凛音が優しく聞く。


『な、中島さんは…関係ないです。佐々木先生を「突き落とした」のは…僕だから』


思いもよらない告白に、その場の空気が一瞬張り詰めた。


『何言ってるのよ、小川君。小川君がそんなことするわけないよ』


『部長…ごめん。でも、本当に…僕が…やったんだ。最近、中島さんの様子がおかしかったから問い詰めてみたら…佐々木先生に「脅された」って…』
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