円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
まだ高校2年の若い彼が、こんなにも憔悴しきる姿をみるのは…悲しかった。


『…ごめんね、小川君。私、部長のクセに何も気付かなくて…本当に部長失格だよ。真由にも…申し訳ない…よ』


赤田さんは泣いた。


『部長は悪くない。何も悪くないから。気にしないで。悪いのは…佐々木先生だ』


小川君の強い思いが伝わる。


先生への「嫌悪感」で溢れたその心…


ずっと1人でいろいろ抱えてつらかったよね…


『…佐々木先生を突き落としたのは君じゃないよね?もう「嘘」はやめよう。これ以上の嘘は、同じように頑張ってきた赤田さんに対しても良くない。励まし合ってきた「仲間」の前では正直でいて欲しい』


凛音…


『…でも…』


『中島さんに全てを聞こう。それが1番いい。彼女の苦しみも解放してあげるべきだ。赤田さん、申し訳ないけど、携帯で彼女を呼び出してもらえないかな?』
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