円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
『わ、わかりました』


半分泣きながら、赤田さんは携帯を取り出した。


しばらくして…


中島さんが部室にやってきた。


『まだ学校にいてくれて助かったよ』


『記者さん…いったい何なんですか?また取材ですか…?』


怪訝な表情で中島さんが言った。


『僕達は…新聞記者じゃない。僕は…円城寺 凛音「探偵」だよ。こっちが「助手」の…』


『伊藤 紬です。ごめんね、嘘ついてて』


私は頭を下げた。


『…円城寺って…』


小川君も中島さんも驚いた顔をした。


『真由。こちらは円城寺 初音さんのお兄様。凛音様よ。私が…依頼したの。脅迫状の件を…』


『…菜摘…』


『中島さん。あなたは…この脅迫状の存在も、そして、この花も…知ってますね?』


『これは…』


少しの沈黙。


『中島さん、良かったら…もう全部話して。あなたの苦しみを…ここにいるみんなで背負うから。大丈夫、安心して…』


私は、中島さんの肩に…触れた。
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