円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
その瞬間…


「いつもの感覚」がやってきた。


赤田さんにはたいして何も感じなかったのに、今度は…


とてつもなく切ない感覚が私を襲った。


『中島さん…泣いてる』


一緒に立ってる相手はボヤけて見えない。


やっぱり私の能力は「ポンコツ」だ。


だけど…


それは間違いなく佐々木先生だと確信出来る。


どうしてだかわからないけど、そんな気がして仕方ないから…


今、中島さんは泣いてないのに「泣いてる…」なんて言った私の言葉に、3人は意味がわからないみたいだった。


でも、凛音はニッコリ笑ってうなづいてくれた。


『大丈夫…みんなあなたの味方だから』


もう1度、私は中島さんに話すよう促した。


『私…佐々木先生に…脅されてました』


可哀想に、声が震えてる。


『何を言われたの?大丈夫?ここで話せる?』


凛音は、中島さんが女の子だから…自然に私に話の主導権を渡した。
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