円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
『私…あの日…』


中島さんは頑張って話そうとしたけど、何かに怯えてるようだった。


『もう言わなくていいよ』


たまらなくなったのか、小川君が言った。


『大丈夫…全部、みんなに聞いてもらいたい。私、先生が階段から落ちた日の放課後、やっぱりちゃんと脅迫をやめてもらうようにお願いしようと思いました。脅迫状も出していたし、劇が中止になることを願って。そしたら…お金も出せないのに万引きを黙ってて欲しいなんてふざけるなって…突然、私に襲いかかってきて…「キスされそう」になって…でも、その時先生の携帯に電話がかかってきて、その隙に私は部室から逃げ出しました』


その告白に…愕然とした。


ここにいる全員が同じ気持ちだろう。


『…許せない。本当にごめんね、真由。私がちゃんと話しを聞いてあげてたら…』


『ううん、私が菜摘に全て話していたら…こんなことにはならなかったのに…ごめんね。どうしても…言えなかったの…小川君もごめんね』
< 65 / 103 >

この作品をシェア

pagetop