円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
『うん。あの日、中島さんが部室を出た後の先生の行動が気になるよね』


『ああ。1度…先生に会ってみよう。何も知らないフリをしてお見舞いに』


『だったら、私も一緒に行きます。演劇部の部長として、そして、凛音様に依頼した者として…この事件に最後までお付き合いさせて下さい』


赤田さん、急に強くなったみたいで頼もしい。


『…大丈夫?』


凛音が優しく聞く。


今、普通なら佐々木先生には会いたくないよね。


信頼していた先生の「最悪な1面」を知ってしまったから…


こういう気遣いが出来る凛音…やっぱりカッコいい。


『はい、私は大丈夫です。心配して下さりありがとうございます。演劇部として、立派に演技してみせます』


赤田さんがニコッと微笑んだ。


『では頼んだよ。あと…小川君は、中島さんのことを頼むね。ずっと側にいてあげて…』


『はい!絶対に守り抜きます』


中島さんと小川君にも少し笑顔が戻った。
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