円城寺家のイケメン探偵 ~脅迫状に込められた思い~
『ああ、そうだよ』


『犯人は…いったい誰なんですか?』


初音ちゃんも続けた。


『…』


凛音が少し黙る。


みんな、息を飲む。


『先生が階段から落ちたのが誰かの仕業だとしたら、あのフロアは「演劇部」しかないんだから、犯人は演劇部に関係のある人物の可能性が高い』


『確かにそうですね。他の先生や生徒があのフロアにいたら、ちょっと変だなと思いますし、実際に演劇部しか使いませんから』


凛音の言葉の後、赤田さんが言った。


『だとしたら、犯人は演劇部の人間?』


と、柊音君。


『でも…演劇部の誰かが犯人なんて…』


赤田さんは信じたくないというようにポツリとつぶやいた。


『実は、あの時のみんなのアリバイを…ある生徒に聞いてもらった』


『えっ、誰なの?その生徒って』


『小川君だよ。彼に演劇部の生徒に聞いてもらったんだ。新聞記者の山田に頼まれたからって言ってもらって』
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