眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



「みのり、お前」

「……?」



足の間で抱きしめられたまま、御影さんの鼻先が首筋に埋まる。

キスでも落とされるのかと思ったけど、スンスン匂いを嗅いでいる気配。



「なんか、銀の匂いする」

「え?」



あ……保健室であんなことをされたから、香水の香りが移った?

でも、あれから結構時間は経っている。



「ここまで送ってもらったから、かも」

「いや。この感じ、それ以上にあいつに近づいたろ」

「、…」



御影さんは、警察犬と同等の嗅覚でも持っているんだろうか。

どれだけ近づいたかなんて、匂いでわかるものなのかな。


とりあえず、指摘された以上、正直に話すしかない。


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