眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
ああ、まただ……
また、……頭の中で声が聞こえる。
───あの、ここで働かせてもらえませんか…?
ああ、そうだ、私。
───よかった、これでプレゼントが買える!
私、誰かのプレゼントを買うお金がほしくて……
───やめてください、…っ……やめて、、、
でも、バイト先の繁華街で知らない男に囲まれて……
それで……?
ダメ、そこからはなにも思い出せない。
「ハァ、……ハァ、……苦し、……」
「みのり、大丈夫だから、ゆっくり息吸って」
「、……ハァ、、、……」
目の前に来てくれた御影さんに、縋るようにしがみつく。
だって、怖い。
何かを思い出しかける度、全身が恐怖に襲われる。
怖くて怖くて、
今すぐにでも気が狂ってしまいそう……
もう、こんな恐怖が続くのはイヤだよ───…