眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「……どうしよう銀くん。御影さんの王子キャラが未だに怖い」
「あはは、慣れるしかないね」
柔らかな声音も威圧感のないオーラも、なにもかも馴染みがなさすぎて。
暴走族の総長より王子様を怖がるって、なにをどう考えたっておかしいのに。
そんな私にはお構いなし。
笑顔を向ける御影さんの周りに、キラキラと光の粒まで舞って見える。
王子様の爽やかさ、半端ない……。
「ねえねえ! 王子『みのり』って呼び捨てで呼んだよねっ」
「きゃー、やば、さすが姫……!」
女子からの羨望の眼差しの中、渾身の苦笑いとともに御影王子の元へ向かった。