眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「…もう、寝ます」
「は、ケーキ、」
「御影さん1人で食べてください」
「、…」
顔も合わせたくないのに、六畳一間ではそうはいかない。
だけどホワイトターミナルに行く気分にもなれなくて、布団を引っ張り出して潜り込んだ。
「みのり……ほんと、ごめんって」
『ごめん』なんて、キャラじゃないのに。
今のは王子様の、本当の御影さんからの謝罪だったのかもしれない。
だとしても……
クリスマス、楽しかったのに。
最後の最後で台無しだ。
でも、全部御影さんが悪い。
小町さんのことなんて、忘れちゃえばいいんだ。
御影さんの記憶の中から、小町さんだけ消えちゃえばいいのに───…