眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
7「してほしい」
翌日、会合のために来ているホワイトターミナルで、銀くんに声をかけられた。
「もしかして、また御影くんと喧嘩した?」
「……やっぱり、わかる?」
「みのりちゃん、学校でも御影くんのこと避けてたよね」
「うん…」
喧嘩……というか、私が一方的に避けてるだけだ。
家でも学校でも、御影さんは何度も声を掛けてくれたのに。
顔を見ると小町さんが浮かんで、それが嫌で避け続けるしかできないでいる。
昨日の夜から一言も口を利かないまま、もう丸一日が過ぎてしまった。
「力になれることがあったらいつでも言ってね。またここに泊まりに来てもいいし」
銀くんは、今日も穏やか。
そして優しい。