眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



それから、どうやって小町さんの手当を終わらせたのか、記憶はほとんどない。



真っ黒な血が体を流れる感覚に耐えているうちに……

気づけば会合が、目の前で始まっていた。



「……大丈夫っすか、みのりさん」

「……」



会合中、リクくんが心配して何度も声を掛けてくれたけど。


心ここにあらずの私は、返事をすることさえできない。



いつもは怯える怒声も罵声も、一切耳に入らないまま……


気づいた頃には、男たちが御影さんへ一斉に礼をしていた。



会合が、終わったんだ。


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