眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



「みのりちゃんにだけ特別に教えてあげる。御影くんが白夜を立ち上げた経緯」

「おい、やめろ……っ!」

「、…」



『白夜を作った経緯は誰も知らない』


確かリクくんが、そう言っていた。


でも、銀くんは知っているってこと?



「僕にだけ教えてくれたんだ。それほど信頼してたんだろうね、僕のこと」

「、…」



わかっていて敢えて口にする銀くんが、悪魔に見える。



「大事なことだからちゃんと聞いてね。御影くんがこの世界にいる理由」

「っ……やめろ銀、それ以上言ったらマジでぶっ飛ばすぞ───!」



……なに?


御影さんが暴走族の世界にいることに、どんな理由があるの?



「それはね」



私を見下ろす銀くんと、視線が絡む。

妖しく弧を描く口元が、次の言葉を口にしかけたそのとき───



「───痛っ、……」

「……?」



そのとき、頭に激しい痛みが走った。



「みのりちゃん?」

「、みのりっ…」


「アタマ、、、痛、……」


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