眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
その日から始まった秘密のお付き合いは、ちょっぴりスリルがあって、でも幸せで。
たくさんキスもしたし、たくさん抱きしめ合った。
本当に大好きで、本当に大切で。
こんな幸せがずっと続くって、本気でそう思っていたんだ。
……全ての悲劇が始まった、あの日までは。
再婚してわずか数ヶ月後、御影さんのお父さんは事故で亡くなってしまった。
実の母親に続いて父親までもを亡くした御影さんは、ひどく気落ちしていて……
私が傍にいる、私がずっと一緒にいる、だから大丈夫だよって。
傍で励ます時間が積もれば積もるほど、私の中で御影さんへの想いは一層募っていった。
だけど……
そんな私の傍らで……
私の母親は、御影さんにひどい暴力を振るうようになっていた。