眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



頭の中が、真っ白になる……



「ボスが御影くんを自分の組織に入れなかったのは、別に所属させたほうがこの世界がおもしろくなるから。案の定、鬼炎魔は下落して面白くなったって思ってるだろうね」



だって、そんな……


本当に、私のせいで……



私が、繁華街にいたから。


ううん、バイトをしたことが間違いだった?


クリスマスにプレゼントなんて、あげようとしなければよかった?



わからない、



どこからが間違いなのか、わからない……




「じゃあ……目が覚めてすぐ、御影さんが部屋を出て行ったのは……」

「こんな世界にいる人間と、みのりを関わらせちゃいけないって思ったからだよ」

「っ、…」

「御影くんは本当にたった数ヶ月で界隈のトップになって、無事ボスとの約束は果たした。けど大事な部下もできて、見捨てることができないんだろうね。今も総長を続けてる」

「、…」



複雑な家庭環境にいる部下たちを置いて、自分だけ白い世界へ戻ることはできない。


そういうことだ……


< 180 / 244 >

この作品をシェア

pagetop