眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
頭の中が、真っ白になる……
「ボスが御影くんを自分の組織に入れなかったのは、別に所属させたほうがこの世界がおもしろくなるから。案の定、鬼炎魔は下落して面白くなったって思ってるだろうね」
だって、そんな……
本当に、私のせいで……
私が、繁華街にいたから。
ううん、バイトをしたことが間違いだった?
クリスマスにプレゼントなんて、あげようとしなければよかった?
わからない、
どこからが間違いなのか、わからない……
「じゃあ……目が覚めてすぐ、御影さんが部屋を出て行ったのは……」
「こんな世界にいる人間と、みのりを関わらせちゃいけないって思ったからだよ」
「っ、…」
「御影くんは本当にたった数ヶ月で界隈のトップになって、無事ボスとの約束は果たした。けど大事な部下もできて、見捨てることができないんだろうね。今も総長を続けてる」
「、…」
複雑な家庭環境にいる部下たちを置いて、自分だけ白い世界へ戻ることはできない。
そういうことだ……