眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「おい、銀!」
声に振り向けば、御影さんが横にいた。
その奥では藤堂リュージが再起不能で気を失っている。
「うっ………み、かげ……くん、、…?」
「銀、!」
銀くんの意識が戻り、虚ろな目を御影さんに向けた。
苦し気に呼吸をする銀くんは、こんなときなのに苦痛に耐え微笑んでいる。
「……はは、リュージさん……もうやられちゃった、か……呆気ない、なぁ……」
「、…」
「御影くんも、バカ、だよ、……僕のこと、捕まえるくらい、簡単なはずなの、に……」
「、…それができないってわかってて脅したんだろ、」
急ぎ上着を脱いだ御影さんが、撃たれた腹部に押し当てて止血する。
痛みすら感じないのか、銀くんは顔を歪めもしなかった。