眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



「……そう、だね……全部、わかってた、……卑怯な手使わない、と……リュージさんは、勝てない、から……」

「銀くん、もう喋らないでっ」



私の呼びかけに応えるように、銀くんはこちらを向いて……

目が合うと、やっぱり穏やかに微笑んだ。



「……なんで、かな。……撃てると、思ったんだけど、なあ……」

「、…」

「なの、に……なん、で、、、」



微笑んでいたその顔が、次第に悲しみで歪んでいって……



「なんで死にそうな今、思い出すのが………白夜の……ッ、、…御影くんや、リクのこと、なんだろう……ッ、、、」

「、、っ……」



言葉とともに、銀くんの瞳から大粒の涙が溢れ出した。



「僕にとっては、全部……ッ、…幻の……嘘の時間、だったのに、…」

「、銀くん……」



そんなの……


そんなの簡単だよ。


幻でも嘘でも、銀くんにとって白夜が大切な場所だったからだよ。


御影さんとリクくんのことが、大好きだからだよ……っ


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