眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



「こんな、今更……笑っちゃう、よね……自分で嘘、ついてたのに……」

「……っ、笑えない……全然笑えないよ!!」



銀くんが死んでしまうかもしれない。


この世界からいなくなってしまうかもしれない。


その現実に、涙と震えが止まらない。



「最初に、見つけてくれた、のが……、リュージさんじゃなく、御影くんだった、ら、……なにか、変わってたの、かな…」

「っ、…」



神様はいじわるだ。


どうして銀くんが1番辛いとき、御影さんに出会わせてくれなかったんだろう。


どうして藤堂リュージに、出会わせてしまったんだろう……



「そうだ……リクに、……謝っておいて、よ。………嘘つきな兄ちゃんで、……ごめん、って、」

「言わねーよ、…そう思うなら自分で謝れ」

「はは……できる、かな」

「できる、できるよ! だから生きて、銀くん……!!」

「……そう、だね………でも、もう………本気で、しんどい……や……」


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