眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
苦しそうに肩で息をしていたのに、その呼吸すらどんどん浅くなっている。
やだ、どうしよう、ほんとに死んじゃう、…
このままじゃ銀くんが死んじゃうよ……っ
「っ銀くん……銀くん!!」
「みのり、救急車と警察呼べ!」
止血している御影さんの服が、真っ赤に染まっている。
それを見て恐怖に固まりかけたけど、ギリギリ保って震えた手でポケットからスマホを取り出した。
だけど。
「でも、こんな……これじゃあ御影さんまで捕まっちゃうんじゃ……そうだ、闇医者! 前に言ってたよね、抗争のときは診てもらうって。またその人に、」
「───みのり」
「、…」
強く遮られた声に、ハッとして御影さんを見た。
目が合った瞬間、ぶわぁっと風が吹くような心強さに包まれる。
だって、御影さんが……