眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「あのあとね、御影さんが例の発砲事件にかかわってたんじゃないかって、学校で大騒ぎになったんだ……」
公園のベンチで、リクくんにその話を打ち明けた。
「報道では未成年で名前は伏せられてたけど、かなり大きいニュースになってたっすもんね……」
「うん……それで一時は、王子様の裏の顔は凶悪犯、なんて言われたりもしてた」
「御影さん、全然そんな人じゃないのに……!」
荒ぶる感情のまま立ち上がったリクくんを見上げて、話を続ける。
「大丈夫、今はそんなことを言う人はいないよ」
「え、みんな噂に飽きたんすか?」
「というより、私を助けるために巻き込まれたことだって、みんなに話したの」
そのために暴走族に入ったことも、そこで行き場のない子供たちの居場所を作っていることも。
あれ以上悪い噂が広がらないためには、そうするしかなかったから。