眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
2「白夜のこと」
───それから約2週間。
私の怪我も大分良くなり、日常生活に支障がないまでになっていた。
「みのり、行けるか」
「うん、大丈夫」
夜、今日は御影さんととある場所へ向かう。
そこは白夜がアジトとする『ホワイトターミナル』という場所で、今夜は会合という集まりがあるらしい。
暴走族の集まりなんて恐怖でしかないから、部屋で留守番してるって言ったけど。
鬼炎魔に狙われている以上、私を一人にするわけにはいかないらしく。
そういう理由で連れてこられたのは、私たちが住む大きな街の一角、それもど真ん中に位置するビルだ。
「ま、待って。ホワイトターミナルって、もしかしてこのビルのこと?」
「ああ」
「てことは、この辺りが白夜の縄張りなの?」