眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「………あのとき」
「…?」
「……」
「御影さん……?」
呟いて、私を囲うように壁に両手をついた御影さんは……
顔を伏せ、私の肩に額を預けた。
甘えるように、縋るように……まるで、小さな男の子のように。
「……あのとき、みのりに会いたくて限界だった」
「え?」
『あのとき』
それは……小町さんと関係を持ったとき。
「自分でもバカなことしたって思ってる。でも、小町がみのりに見えるくらい…………会いたかった」
「、…」
……目の前の弱々しい御影さんを見て、今更思い出したことがある。