眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「小町さんは、納得してくれた……?」
「前に話した唯一好きになった女がみのりだって言ったから、さすがにな」
「……そうなんだ」
「ホワイトターミナルのバイトも辞めて、友達んとこで働くっつってた」
「そっか」
「てことで、あとは銀とみのりだな」
「銀くんと、私?」
が、どうしたんだろう?
「あいつが目覚ましたら、どう考えてもまたお前に手出すだろ」
「……!」
はぁーっと深いため息を吐いて、御影さんは気だるげに歩みを進める。
「いやいや、あんなことがあったんだからさすがにないと思うけど……それにあれは、私を人質にするための芝居だったかもしれないし」
「は? お前、銀のしたたかさ舐めんなよ」
「したたかって……」