眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



御影さんとの短い高校生活が、もうすぐ終わる。


もっとたくさん学校での思い出も作りたかったなって、黙り込んで考えていたら……



「……」

「、…」



繋がれた手を握り直すように、ぎゅっとされた。


なにか大事な話をされる合図な気がして、今度は私が御影さんを見上げる。



「俺さ」

「うん?」

「進路とか考える余裕なかったから、卒業したらずっと白夜一本で生きていくつもりだったけど」

「……」

「来年、大学受験するわ」

「え、」



大学受験!?



思いもよらない報告に、道端で思わず立ち止まった。


手が繋がれているから、御影さんも一歩先で足を止めて私に振り向く。



大学って、御影さんが?


いや、昔の御影さんなら当然大学に進学するんだろうなって感じだったけど。


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