眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「……それ、は……御影くんが、……許してくれないんじゃ、ないかな」
「は? 許すも許さねぇも、お前は白夜の人間だろーが。総長の許可なく抜けた気になってんじゃねーよ」
「、…」
御影さんの言葉に、「はは…」って乾いた笑みを吐き出した銀くんだけど……
その数秒後には、銀くんの目にも涙が溜まっていた。
「……、、ごめ、…、っ……」
「……」
「本当に、…ごめん……」
「、…」
「御影くんも、リクも、みのりちゃんも、………みんな、ごめん……っ、」
「、、…っ、…、、…」
何度も何度も、銀くんは私たちに謝り続けた。
その想いは、私が、御影さんが、リクくんが、あの日からずっと信じ続けていた通り。
きっと銀くんは、いつからか白夜が好きになっていて、
きっと銀くんは、いつからか御影さんの本当の親友になっていて、
きっと銀くんは、いつからかリクくんの本当のお兄ちゃんになっていたんだ。