眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「あ、終わったみたいっす」
部屋の中の全員が、また一斉に立ち上がる。
さっきと同じ角度で御影さんに礼をして、どうやら会合は終了らしい。
どんな事情があったとしても、ゾロゾロと動き出すスーツ姿の男の群れがやっぱり怖くて……無意識に視線が下がる。
そんな中、厳めしい構えの椅子から立ち上がった御影さんの足が、真っ直ぐこちらに向かってくるのが見えた。
「みのり、少し待ってて」
「えっ」
「リク、みのりの相手頼んだ」
「はいっす!」
リクくんの頭をぐりぐり撫でて、御影さんはまだ用があるのか一人の男の元へ向かった。
それと入れ違うタイミングで、
「こんばんは、みのりさん」