眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



声を掛けてきたのは、銀髪の麗しい男の人だ。


少し高めの声のトーンが、心地よさを覚えるくらい穏やかに聞こえる。



「こん、ばんは」

「初めまして、僕は(ぎん)。多分同じ歳くらいだと思うけど……みのりさん、いくつ?」

「17の、高2、らしいです」

「らしい? あ、そっか、記憶がないんだっけ。御影くんが言ってた」



御影“くん”。

会合ではみんな“さん”付けで呼んでいたのに。

そんな違和感に首を傾げていたら。



「銀さんは白夜の2番隊なんすよ」



あ、それで。

御影さんとは1番対等なポジションってことだよね。



「僕も17の高2。同じ歳だから、敬語はなしにしよう。みのりちゃん」

「う、うん」


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