眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「それより聞いた? 僕たちもうすぐ、」
「おい」
「……!」
いつもより低いの声と共に、腕が引かれてソファーから無理矢理立たされる。
「銀にみのりの相手、頼んだ覚えねーんだけど」
グイっと引かれた勢いのままぶつかったのは……私を引っ張った、御影さんの体だ。
「帰るぞ」
「え、でも、」
「いーから来い」
私の腕を強引に引くまま、足がもつれるのも気にせず御影さんはずんずん歩き出す。
「またね、みのりちゃん、御影くん」
「またねっす!」
「う、うん。またね!」
手を振る二人に私も振り返したあとは……
エレベーターに乗る以外一切立ち止まることなく、私と御影さんはホワイトターミナルを後にした。