眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「上脱いだだけだろ、大袈裟だな」
「お、大袈裟じゃない」
そりゃ御影さんは美しいイケメンだから、女の人に裸を見せるとか、そういう経験は数えきれないくらいあるだろうけど。
でも私はっ……
……。
私、は?
「あ、あれ?」
「なんだよ」
「私って、経験あるんでしょうか」
「は?」
記憶がないからわからない。
私は男の人と、その、色々……したこと、あるのかな。
そもそもさっきのが、ファーストキスだったりするんじゃ……
「ああ、そういうことか」
なにかを悟った御影さんの口角が、妖しく上がる。
対して私は、思考を読まれたことに赤面。
なんで声に出しちゃったかな……。
「俺が確かめてやろーか」
「え?」
「みのりなら、相手してやってもいーけど」
「なっ……」
からかいにも取れる言葉のあと、腰に回った手が私を強く引き寄せる。
距離が一気に近づいて、ドクリ、心臓が震えた。