眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「み、みかげ、さん……? 冗談、ですよね」
「………」
返事の代わりに二つの碧眼が、ただ私を見つめてくる。
「目、逸らすなよ」
「そ、そんなこと言われても……」
どこまでも碧い瞳に吸い込まれる感覚がして、合わせてなんていられない。
だって、見られているだけで恋に落ちるような、そんな不思議な感覚がするから。
落ちたの?私……
違う、だってこの人のことよく知らない。
知らない人に恋なんて───
「なぁ、どーでもいいことウダウダ考えんの、なんつーか知ってる?」
「え……」
「無駄な時間」
「、…」
御影さんの右手が、腰に回る。
左手の指先は、誘うように私の顎に添えられて……
心臓がぎゅっと痺れると同時、───噛みつくように荒く、唇が奪われた。