眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「ん、……」
なんで、どうしてこんなこと。
身を引いて離れようと思っても、ホールドする御影さんの腕が決してそれを許してくれない。
かと思えば腕が掴まれ、筋肉質な胸板に誘導された。
「ん、ん……ぅ」
肉付きがいい私の体とは全然違う。
誘導されるまま触れた胸板は、鍛え上げられているのが容易にわかるほど逞しかった。
どうしよう、逃げられないキスに、触れてる胸元に、
なによりも高鳴り続ける自分の鼓動に、眩暈がしそう……
「みのり、口開けろ」
「ぅ、んん……」
無理だよ。
だってもう、口の開け方すらわからない。