眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
張り切って提案した内容に、御影さんは真顔で停止。
そのあと、はぁーって深いため息を吐いた。
「それ、本気で言ってんの?」
「もちろんです」
この部屋で私が目覚めてからは、御影さんは遠慮してかずっと別々に寝ていたから。
私は布団、御影さんはその辺で雑魚寝の日々。
不眠症の御影さんが寝不足っぽいところを、実は何度も見ている。
それを少しでも救えたら、って、思ったんだけど。
「私といると、よく眠れるって言ってましたよね」
「あー……」
「ダメ……でしょうか?」
「別に、ダメではねーけど」
「じゃあ、」
「けど、襲わない自信ない」
「え?」
「それでもいーなら、一緒に寝てやる」
襲わない、自信。
正直、もうあんなキスをした関係だから、嫌とかはない。
……なんて。
そんな風に誤魔化してみるけど。
嫌じゃないのは、もっと別の理由かもしれない。
私、もしかして本当に御影さんのこと……