眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
次第に体の芯が熱くなって、脳が麻痺するみたいにおかしくなっていく。
そんな中、一体なにが起きたのか、
「……は?」
カクンと前に倒れるように、私は寝落ちしてしまった。
御影さんが体を支えてくれたみたいだけど、意識はもう夢の中。
「……おい。この状況でどうやったら寝れんだよ」
「すぅー……すぅー……」
「なんだコレ……。つーか昨日も急に寝たよな」
「……すー……すー……」
「まさか、怪我の後遺症か?」
このとき発覚した事実。
どうやら私は、御影さんとは正反対の過眠症になってしまったらしい。
「は、まるで眠り姫だな」
なんて笑った御影さんの声は、やっぱり夢の中にまでは届かなかった。