眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
「んん、………まぶし……」
カーテンの隙間から差し込む日差しが、朝を告げる。
んー!っと伸びをするために体を動かそうとして、それが叶わないことに気づいた。
体が思うように動かない理由は、すぐ隣。
同じ布団の中で、御影さんが私をがっちりホールドして眠っている。
足は布団の中で絡むように触れ合ってるし、腕は肩に回って抱き寄せられてるしで寝起き早々ゼロ距離だ。
でも、御影さんは熟睡できているようで一安心。
私といるとよく眠れるというのは、どうやら本当らしい。
「………ちょっとだけ」
なんて呟いて、自分からも寄り添ってみる。
やっぱり落ち着くこの場所で頬をすり寄せたら、御影さんの心臓の音が聞こえた。
「ん、…」
小さな唸り声が聞こえた後、眠る御影さんが無意識の中で更にぎゅっとしてくれた。
それがくすぐったいような、幸せなような。
とにかく胸がそわそわしてしまう。
ピピピピピ!
「……!!」
「んー……」
アラームが鳴って、今度は大きく唸りながら御影さんの目が開く。
すぐ傍で目が合ったけど、まだぼんやりしているのか御影さんは寝ぼけまなこだ。