眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



「あ、席も隣なんだ」


学校について職員室に向かった後、銀くんも一緒ということでHRでの紹介を待たずに教室へ向かうことになった。


席は窓際一番後ろ、銀くんの隣だ。



「御影くんがそうしてくれたから」

「これも御影さんが!?」



さっきから全部、一体どうやって……。



「先生にお願いしてくれたんだよ。みのりちゃんは僕たちの知り合いだから、僕と同じクラスで隣の席にしてあげてって」

「それを先生が承諾したの?」

「信頼度抜群だからね、御影くん」

「………」



ダメだ、本当にわからない。


先生に信頼されていて、学校の王子様で、暴走族の総長で……?



「他にも秘めてることがあるなら、このタイミングで全部教えてほしい…。」

「あはは、みのりちゃん面白いね」

「いや、御影さんが謎すぎるんだよ」

「うん。でも先生に頼んでくれたのも、全部みのりちゃんを守るためだよ」

「……」



その言葉に、バカ正直に心臓が跳ねる。


私を守る。

鬼炎魔の秘密を握っている以上、それは避けられないことで。


最初こそ怖かったその現実が、今は少し嬉しいなんて。


御影さんに守ってもらえることが、嬉しい、って。


そう感じてるんだ、私……


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