眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
銀くんと話しているとき、私の机を囲むように数人の女子がやって来た。
机に落ちた影に顔を上げてすぐ、嫌な予感を覚える。
「ねぇ、さっき御影先輩と歩いてたよね?」
やっぱり……。
転校初日に目をつけられたのかもしれない。
学校の王子様と登校なんてしたから……
なんてことを思っていると。
「御影先輩のお姫様とか、めっちゃ羨ましんだけど!!!」
……。
え?
「お姫、さま?」
机を囲む女子たちから、想像したような嫌な空気は感じない。
それどころか……
「御影先輩って、今まで女の子を隣に歩かせたことないんだよ」
「そう、なの?」
「そうなの!だからみんなびっくりしちゃって」
「女の子と歩いてるってだけで妄想捗るわ~!」