眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす



「もうさ、姫って呼んでいい!?」

「あ、うん、呼び方はなんでも」

「ちょ、姫拝んどいたら良いことあるかも!」

「私も拝ませて!」

「私も私も!」


パンパンッ


「「「なんでもいいから良いことがありますよーに!!」」」


「……。」



女子たちが、私に向けて手を合わせて目を閉じている。


なんだろう、この一目置かれてしまった感じ。

そんな様子を見て、隣の席では銀くんが笑いを堪えていて……。




女子たちが退散したあと、「みのりちゃん、転校早々お姫様になっちゃったね」って早速からかわれる始末…。



「……お姫様ってキャラじゃないんだけどな」

「そんなことないよ。みのりちゃん可愛いし」



そんなセリフをサラッと言ってしまう銀くんは、罪な男だ。


銀くんも絶対モテるんだろうな……。


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