眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
4「揺れる心」
あのあと聞いた話によると、御影さんが保健室にいた理由はこうだ。
私になにかあればすぐに連絡───銀くんとはそういう決まりになっているらしく。
私を保健室まで送ってくれた銀くんからの連絡を受け、御影さんも保健室へ到着。
寝顔を見ているうちに睡魔に襲われ、悪びれもせずベッドに入り込んだ……という流れだ。
そしてその日の夜……私は悶々としていた。
「う~~ん……」
「なに唸ってんだよ」
「……ちょっと考え事を」
「ふーん」
この関係がなんなのか、考えたところで答えにたどり着ける気がしない。
考えてわかるほど、御影さんのことをよく知っているわけじゃないから。
つまり、よく知らないからあれこれ考えが巡るわけで。
だったら彼のことをもっと知れば、色んな疑問も払拭されるかもしれない。
よし───!
「私、ホワイトターミナルの御影さんの部屋に行ってみたいです」
「は?」
「最上階にあるんですよね? 銀くんが言ってました」
「あるけど。なんだよ急に」