眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす
え?───と思った直後、体がふわりと宙に浮く。
いわゆるお姫様だっこで軽々運ばれた先は……
ドサッ…
ベッドに優しく下ろされて、横たわる私を御影さんが上から見下ろしてくる。
青い二つの碧眼の中に、私が映っているのが見えて。
……やっぱりキレイな目、なんて。
こんな状況で思う私は本当にどうかしている。
「な、なんでそんなに見るんですか」
「見たいから」
「見ても、面白くない」
「でも、見たい」
「、…」
恥ずかしくてプイっと横を向いたけど、輪郭をなぞるように触れた手に呆気なく元に戻される。
御影さんの手が、熱い。
まるでこの状況に、体が反応しているみたい。
「キスしてい?」
「い、いつも聞かないで勝手にしてる」
「さすがにこの体勢でしたら止められる自信ないから、一応確認」
止められる、自信がない……。
じゃあキスをしたら、このまま御影さんと……